当研究室M2の髙澤彩香さんによる「直鎖状低密度ポリエチレン延伸フィルムの伸縮動作におけるタイ分子の状態変化」の発表が、2021年11月24日~25日に九州大学伊都キャンパスにてハイブリッド開催された第32回エラストマー討論会(日本ゴム協会)にて、若手優秀発表賞を受賞しました。本賞は優れた口頭発表を行った35歳以下の者に贈られるものです。
髙澤さんの研究はパナソニック株式会社との共同研究によるものであり、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)延伸フィルムが有する伸縮機能のメカニズムをin-situ(その場)X線測定およびパルス核磁気共鳴(NMR)測定により考察することで、ラメラ結晶をつなぐタイ分子の周期的な状態変化が巨視的な伸縮機能を発現していることを明らかにしました。本発表の成果は、ウェアラブルデバイスへの応用が期待される高分子繊維アクチュエータの創製に向けた動作メカニズムの解明につながるものです。
本研究は現在、科学研究費補助金・新学術領域研究「ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合」(領域代表:鈴森康一・東京工業大学教授)において公募研究(B01-17)「タイ分子制御による高出力繊維アクチュエーターの創製」(研究代表者:上原宏樹教授)として採択され、「絡み合い」「分岐」「架橋」等の特徴を有する各種高分子からより伸縮性の高い繊維状試料を調製し、これをソフトアクチュエータとして応用することを目指しています。
今回受賞対象となった研究は、「Sメンブレン」プロジェクトの一環として行われたものです。
群馬大学研究・産学連携推進機構では、研究拠点の形成を目指した「推進研究(G2)」を指定しており、その一つとして、超高性能・高機能な膜材料を創製する「スーパー・メンブレン」プロジェクト(略称:「Sメンブレン」プロジェクト)を推進しています(代表:山延健教授)。