研究内容

研究室紹介リーフレット
[首都圏北部4大学連合 4u 連携事業 web]
溶融延伸
分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)を溶融させると分子鎖絡み合いの発生に起因して高粘度となるため、溶融状態からの超延伸(いわゆる「溶融延伸」)によって高強度化できることを見出しました。 …更に詳しく
この成果は、第14回(平成22年度)横山科学技術賞を受賞しました。 …更に詳しく
インプロセスX線計測
延伸過程における構造変化をシンクロトロンX線測定によってインプロセス計測するシステムを開発しました。これを利用して、溶融延伸過程では分子鎖絡み合いの解きほぐしによって「一時通過型結晶化」が起こること、および、これが伸び切り結晶化するために高性能フィルムが得られることを見出しています。 …更に詳しく
この成果は、Macromolecular Rapid Communications誌の表紙に掲載されました。 …更に詳しく
また、第42回(平成21年度)市村学術賞・貢献賞を受賞しました。  …更に詳しく
インプロセスNMR計測
延伸過程におけるインプロセス固体NMR計測システムを構築し、これを溶融延伸過程に適用したところ、分子鎖絡み合い成分の量(成分比)と質(分子運動性)を定量的に評価することができました。 …更に詳しく
この計測技術は、ポリオレフィン材料の生産管理や、エラストマー材料の架橋構造形成に解析にも適用され、産業貢献しています。
ナノポーラス化
これらの基礎研究の結果、溶融延伸技術を大面積膜の製造に有効な二軸延伸に拡張することに成功しました。また、これら分子鎖絡み合いを基点とした結晶化によって均一ラメラ構造が得られること、また、これらナノ規則構造を元に、有機溶剤を一切用いることなく、ナノポーラス薄膜が調製できることを見出しています。リチウムイオン電池セパレーターや水質浄化フィルターとしての応用が期待されています。
この成果をまとめた論文は、Advanced Functional Materials誌の表紙に掲載されました。  …更に詳しく
この成果は、化学工業日報紙に新聞掲載されました(2012年5月)。 …更に詳しく
この成果は、2014年度クリタ水・環境科学研究優秀賞を受賞しました。 …更に詳しく
糖尿病センサーへの応用
スイス連邦工科大ローザンヌ校(EPFL)との間で「高分子ナノポーラス膜の医療機器への応用」に関する国際共同研究を行い、体内埋め込み型グルコースセンサー(糖尿病センサー)への搭載を検討しました。  …更に詳しく
この成果をまとめた論文は、ACS Nano誌(I.F.=13.3)に掲載されました。 …更に詳しく
燃料電池膜への応用
結晶性/非晶性ブロック共重合体が共連続構造を形成する点に着目し、このうち、非晶成分を選択的にスルホン化処理することによって、高性能な電解質膜の開発に成功しました。無加湿で運転できることから、自動車車載用燃料電池膜として期待されています。  …更に詳しく
高強度・透明性フッ素樹脂膜の創製
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は高い溶融粘度を有するため、UHMW-PE同様に融点以上で超延伸可能であることを発見しました。この溶融延伸法によって得られた膜は、ガラス・ファイバー同様の補強効果を発揮する伸び切り鎖結晶と、ラメラ晶がその間を繋ぐ特異な相構造を形成しており、このため、高強度かつ高透明性を兼ね備えています。また、PTFEのみで構成されているため、リサイクル性にも優れた環境低負荷材料です。
この成果をまとめた論文は、Macromolecular Materials and Enginnering誌の表紙に掲載されました(2014年6月)。  …更に詳しく
ポリ乳酸のナノ構造制御
ポリ乳酸はトウモロコシ等の植物原料から製造できるグリーン・プラスチックです。当研究室では、L体ポリ乳酸(PLLA)とD体ポリ乳酸(PDLA)が対になってパッキングしたステレオコンプレックス(Sc)結晶の融点が通常のPLLAの170℃に比べて50℃も高い220℃程度を示すことに着目し、これをナノ材料として利用する研究を行っています。  …更に詳しく
ナノ・スクラッチ試験
高分子フィルムや膜の表面は、内部とは異なる構造を形成していることが、最近、明らかになっています。特に、汎用性高分子においては、低分子量成分や可塑剤等の添加物が高分子表面に析出して、接着性やコーティング、エンボス加工などに悪影響を及ぼすことがあります。当研究室では、このような高分子表面に特有の挙動を、走査プローブ顕微鏡(SPM)を用いた「ナノ・スクラッチ試験」によって解明する研究を行っています。  …更に詳しく
福祉材料・医療材料の開発
シリコーンはケイ素と酸素の共有結合がつながった高分子であり、生体適合性に優れることから、各種の医療用途で用いられています。特に、架橋シリコーンは生体類似の柔軟性・伸縮性を有するため、人工臓器、コンタクト・レンズ等の医療材料や義肢用クッション等の福祉材料として用いられています。当研究室では、これら架橋シリコーンを高性能化するための研究を行っています。  …更に詳しく
有機-無機変換プロセスによるセラミックスの機能合成
有機化合物がもつ反応性と構造形成能を利用して活性前駆体を形成することで、高温での焼成が必要であった炭化ホウ素(B4C)などのホウ素系非酸化物セラミックス粉末における低温熱炭素還元法を確立しています。 …更に詳しく
さらに、高分子の成形性を利用して前駆体を繊維化することで、連結粒子からなる繊維状B4Cの作製に成功しています。
この研究成果は、第72回(2017年度)日本セラミックス協会賞(進歩賞)を受賞しました。  …更に詳しく
[ 撹上グループweb ]
形態機能性セラミックスの作製
高分子が形成する組織構造を利用することで、高度な共連続ナノ多孔をもつ水酸アパタイトの作製に成功しています。また、この手法をエマルションテンプレート法と組み合わせることでナノ/マイクロサイズの孔をもつ複合多孔体の作製、電界紡糸法を用いることでナノ多孔をもつナノ繊維構造体の作製に成功しています。 …更に詳しく
超高分子量ポリエチレンの溶融紡糸技術
超高分子量ポリエチレンは溶融状態で多くの絡み合いを形成するため溶融粘度が高く、溶融紡糸による繊維作製は困難とされていますが、溶融延伸を組み合わせることで、1GPaを超える破断強度をもつ高強度超高分子量ポリエチレン繊維の作製に成功しました。  …更に詳しく
この研究成果は、令和元年度繊維学会奨励賞を受賞しました。   …更に詳しく
ソフトロボット材料(人工筋肉)の開発
規則配向した結晶ラメラを緊張タイ分子が連結した特殊構造を有するポリエチレン材料を昇降温すると、タイ分子の伸縮と結晶ラメラの回転が協同することで、人工筋肉としての機能(アクチュエーション機能)が発現することを見出しました。高分子材料は、現在、ロボットに用いられている金属モーターと比較して極めて軽量であるため、この駆動原理は、介助用のパワー・スーツなどに応用できると期待されています。
この研究は、新学術領域「ソフトロボット学の創成」の公募研究課題に採択されました。
 …更に詳しく