2018年5月23日(水)から25日(金)に名古屋国際会議場で開催された第67回高分子年次大会において、当研究室M1の東宮大貴君の発表「溶融二軸延伸による超高分子量ポリエチレンの大面積薄膜化と多孔質化」がパブリシティー賞を授与されました(約1,000件中11件受賞)。パブリシティー賞は、高分子学会広報委員会がプレスリリースのために選定したものに対して授与する賞であり、その発表内容が学術、技術、又は産業の発展に寄与するものであり対外的に発表するにふさわしいと認められたものです。
東宮君の研究は、これまで高分子構造物性研究室が培ってきた「溶融延伸技術」を産業レベルで実用化しようとするものであり、縦横1m×1mの大面積で、かつ、膜厚2μmの極薄膜を製膜することに成功しました。これにより、nmサイズの連通細孔を有するリチウムイオン電池セパレーター膜を有機溶剤を一切用いることなく製造することが可能です。
また、当該発表は、その内容のみならず、プレゼンテーションが高く評価され、優秀ポスター賞にも選ばれました。
本学「研究・産学連携推進機構」では、今後の本学における学術研究を推進するため、本学の強み・特色として高い可能性を有するプロジェクトを「重点支援プロジェクト」として支援しており、これを受けて、「超」高性能あるいは「超」高機能を有する膜(メンブレン)を創製する「スーパー・メンブレン」プロジェクト(略称:「Sメンブレン」プロジェクト)が平成29年度に発足しました(代表:山延健教授)。今回、受賞対象となった研究は、この重点支援「Sメンブレン」プロジェクトの一環として行われたものです。