上原宏樹教授の「結晶/非晶の相構造制御による高機能膜の開発」に対して、平成29年度高分子学会三菱化学賞が授与されました。本賞は、高分子科学に基礎をおき、技術、産業に寄与する独創的かつ優れた研究業績をあげた研究者に対して贈られるものです。
分子鎖「絡み合い」が結晶/非晶を隔てる境界として、ブロック共重合体の「接合点」と同様の役割を果たしている点に着目し、これを利用して結晶/非晶の相分離構造を規則配列化することで高機能膜を創製する研究を行ってきたことが評価されました。
なお、授賞式と受賞講演は第66回高分子討論会(愛媛大学・城北キャンパス)にて2017年9月21日に行われました。
【謝辞】本研究の推進にあたり、東京理科大学名誉教授・金元哲夫先生、元京都大学化学研究所・村上昌三先生、マサチューセッツ大学・故Roger S. Porter先生、群馬大学・山延健先生にご教示、ご指導いただきました。深く謝意を表します。また、信州大学・撹上将規先生、SPring-8・増永啓康博士、相模中央化学研究所・秋山映一博士をはじめとする共同研究者の方々、共同研究企業の皆様、群馬大学理工学部・高分子材料科学研究室および高分子構造物性研究室の卒業生・在校生の皆さんにご支援、ご協力を頂きました。厚く御礼申し上げます。なお、本研究の一部は、2000~2013年度NEDO産業技術研究助成事業およびキャノン財団・第6回「産業基盤の創生」研究助成によって行われました。